豆知識
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2020年02月09日 10時51分
カツオ
一言で「カツオ」と言えど、日本で獲れるカツオには、何種類か種類があることをご存知でしょうか。
私も初めて漁師さんからヒラソウダガツオを送って頂いた時、「ヒラソウダガツオは、よくスーパーでカツオのたたきとして売られているカツオとはどう違うの?」と思いました。
調理するにあたって色々調べてみると、カツオはスーパーでよく見かけるカツオだけではなく、いろいろな種類があり、また、それぞれ違う美味しさがあるということが分かりました。
よくカツオのたたきで売られているのは本ガツオ(カツオ)、そして他にも、スマガツオ、ハガツオ、ヒラソウダガツオ、マルソウダガツオなどがあります。
この度はカツオの種類について調べてみました。
漁師さん直送市場の通販を利用して、ヒラソウダガツオが届きました。
ヒラソウダガツオは、漁師町の産地では美味しい魚として人気なのですが、鮮度落ちが早いことから一般市場にはあまり出回ってきませんでした。
しかし、昨今の流通機関の発達と、漁師さん直送市場などの産地直送の通販を利用することで、水揚げの翌日にはお店や自宅に魚が到着できるようになり、全国的にもヒラソウダガツオの美味しさを知る人が増えてきました。
実際に届いたヒラソウダガツオは、何の臭みもなく、瞳も身体も光り輝いていました。
このように、これまで鮮度落ちが早いことや、数がまとまって獲れないことから、一般市場に出回ってこなかった美味しい魚が、現在では一般市場でも手に入るようになってきました。
カツオも、産地直送の通販を利用することで、よく見かける「カツオ」だけでなく、違う種類のカツオも味わえるようになりました。
日本で獲れる「カツオ」には、主に以下の5種類があります。
・カツオ
・スマガツオ
・ハガツオ
・ヒラソウダガツオ
・マルソウダガツオ
それぞれの特徴についてまとめていきます。
標準和名は「カツオ」であり、本ガツオともマガツオとも呼ばれます。
サバ科カツオ属に属しています。
このカツオが、スーパーや100円回転寿司でよく見かける「カツオのたたき」や「カツオのお刺身」になっているカツオです。みなさんも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
カツオには旬が2回あり、季節で脂ののりや味わいが違います。春に北上する「初ガツオ」はさっぱりとしていて、たたきにすると美味しさが引き立ちます。秋に南下する脂ののった「戻りガツオ」はとろりとした食感で刺身もよく合います。どちらも大変美味しく万人に愛される味です。
標準和名は「スマ」であり、スマガツオともヤイトガツオ、ホシガツオとも呼ばれます。
サバ科スマ属に属しています。
地方によってはヒラソウダガツオが「スマガツオ」や「ソマガツオ」と呼ばれており、見た目もヒラソウダガツオに似ています。
ヒラソウダガツオとスマガツオの分かりやすい見分け方は斑点の模様です。スマガツオは、エラの後ろあたりの腹部に1~5点の斑点があります。この斑点が星のようであることから、スマガツオは「ホシ(星)ガツオ」とも呼ばれます。
スマガツオは、本ガツオやソウダガツオと比べると獲れる量が少ないですが、味はカツオ類の中で最上との呼び声が高く、市場ではときに高値をつけます。
スマガツオの身はピンク色で、本カツオに比べて脂がしっかりとのっています。
旬は秋から春と言われていますが、夏場の産卵後以外は味があまり落ちず、一年を通して美味しいと言われています。
標準和名は「歯鰹」。
サバ科ハガツオ属に属しています。
体の模様は本ガツオに似ていますが、目と口が大きく、歯が犬歯のように鋭いのが特徴です。頭部がキツネの顔を思わせることから、古くはキツネガツオ(狐鰹)が標準和名だったそうです。
地方では、体が細長くサバにも似ていることから「サバガツオ」、背中の縦縞から「シマガツオ」「スジガツオ」とも呼ばれています。
本ガツオやソウダガツオと比べ、漁獲量が少なく安定的に取れないのですが、味は本ガツオを上回ると言われるほど絶品の味で、知る人ぞ知る貴重な魚となっています。
ハガツオは他のカツオ類と異なり身が白身に近いのが特徴で、ハガツオのお刺身はモチモチとした食感と、上品な旨味と甘味があり非常に美味しいです。加熱しても本ガツオほど硬くならないので、焼き魚や煮付け、唐揚げにしても大変美味しいです。
旬は秋から冬と言われていますが、年間を通して味が良く、小さいサイズも美味しいです。
標準和名は「ソウダガツオ」。
サバ科ソウダガツオ属に属しています。
ソウダガツオの中に、マルソウダガツオとヒラソウダガツオという2種類があります。
名前にカツオと付きますが見た目はカツオよりサバに近い姿で、背中に縞模様があり、カツオのようにお腹に縦縞は入っていません。味はカツオに近いです。身の血合いはカツオよりソウダガツオの方が多いです。
ヒラソウダガツオとマルソウダガツオはどちらもよく似ています。
旬は寒い時期の秋から冬と言われています。
ヒラソウダはマルソウダと比べて、体高があり、平べったい形をしています。
旬の冬のヒラソウダガツオは脂が乗っており、お刺身にしても煮ても焼いても美味しいと言われています。鮮度落ちが早いため、これまでは産地周辺で食べられることが多かったのですが、現在では直送などで鮮度が良いまま美味しく頂けるようになり、全国的にも流通し始めています。
マルソウダはヒラソウダと比べて、体高はスリムで、平たくない丸い形をしています。
マルソウダガツオは血合いが大きく、脂が少ないのが特徴です。
また、鮮度が落ちたマルソウダガツオはヒスタミン中毒のリスクもあるので、生食には向かないとされています。しかし、新子と呼ばれるマルソウダガツオの若魚は、産地では獲れたてのものをお刺身で味わうことができるそうです。
国内ではマルソウダガツオは、かつお節などに加工されており、需要が高くなっています。
日本で獲れる「カツオ」には、主に以下の5種類がありました。
・カツオ
・スマガツオ
・ハガツオ
・ヒラソウダガツオ
・マルソウダガツオ
それぞれの特徴、それぞれの美味しさがありました。
これまで漁師さん直送市場で購入した鮮魚セットで、本ガツオとヒラソウダガツオに出会うことができました。
これからまたどんなカツオに出会うことができるか、楽しみです。