レシピ
レシピ
漁師さん直送市場の通販にて、漁師さんからワタリガニが届くこともあります。
昔は海産カニといえば、ワタリガニのことを指していたほど、ワタリガニは一般的に知られた食用ガニだったそうです。
しかし近年では、乱獲によって日本での漁獲高が減り、国内産のワタリガニは産地を問わず高値で取引されるようになりました。特に、30cmほどの大型のものや生きている活けワタリガニは、とても高級品となっています。
しかし高級と言っても、タラバガニやズワイガニよりは買い求めやすい値段であり、また活ではない小ぶりのサイズは買い求めやすく、美味しいワタリガニを堪能することができます。ワタリガニは殻も比較的薄く食べやすく、味も一品です。
この度はワタリガニについての豆知識と、レシピについてご案内していきます。
ワタリガニの正式名称はガザミと言います。
群れをなして移動するので「ワタリガニ」と呼ばれるようになり、響きのいい「ワタリガニ」が一般的な呼び名となったそうです。
ワタリガニは北海道から台湾までの地域で生息し、温かい時期は浅場、秋になると深場に移動、冬には砂に潜り冬眠します。海藻なども食べますが、肉食でもあり、小魚、ゴカイ、貝類など、いろいろな小動物を捕食します。
甲羅の背面の色は茶褐色ですが、甲羅の下の方やはさみ、脚などは青みがかっています。そして他のカニやエビのように、茹でると綺麗な赤色になります。
ワタリガニの生食は、少し水分が多くあまりお刺身に向きません。また、お刺身で食べるには必ず生きているワタリガニの調理でなくてはなりません。
ワタリガニの基本的な料理法は、茹でる、蒸す、または良い出汁が出るので汁物や炒め煮など、濃厚な出汁を生かした料理が向いています。甲羅からでる出汁だけでなく、ミソや卵巣の濃厚な旨味と甘味もずば抜けています。
ワタリガニを丸ごと茹でる場合、生きたままのカニを沸騰している鍋にそのまま入れると、カニが暴れて手足が取れてしまう事がよくあります。ですので、生きているワタリガニを茹でたり蒸したりする時は、事前に活け締めしておく必要があります。
活け締めの方法はいくつかありますが、簡単なのは以下の3つです。
・カニを冷蔵庫にそのまま30分以上入れる。
・カニを氷水に10分以上浸ける。
・茹でる場合は、鍋にはった水の時点からカニを鍋に入れ、茹でる。
茹でる塩加減は、海水より薄いくらいが目安であり、1Lに10gほどです。茹でる時間は大きさによって違いますが、沸騰してから10分前後で完成です。
①鍋に甲羅を下にしてカニを並べます。
②カニが浸る程度の真水を入れ、強火で加熱します。
③沸騰したら吹きこぼれないように火を調整し、10分ほど茹でたら完成です。
そのままや、カニ酢を付けていただきます。
②蒸気が出てから10分~15分加熱して完成です。
茹でるよりも旨味がギュッと詰まったワタリガニに仕上がります。
ワタリガニの味噌汁
③火が通ったら味噌をとき、ネギを散らして完成です。
①米4合を洗い、ザルにあげておく。
②ワタリガニ2杯は半分など好きな大きさに切る。
③炊飯器に①と醤油大さじ2、塩小さじ1、酒大さじ2を入れてから、4合の所まで水を入れてかき混ぜ、ワタリガニを乗せる。
④炊飯器のスイッチを入れて炊き、炊き上がったらカニの身をほぐしてご飯に混ぜて完成です。
①鍋にお湯を沸かし塩を入れ、パスタを硬めに茹でる。
②ニンニク2片をみじん切りにし、温めたフライパンにオリーブオイル大さじ8を入れて香りが出るまで炒める。
③ザク切りにしたワタリガニを①に入れ、白ワイン1/2カップを加えてフタをし、蒸し煮にする。
④ワタリガニに火が通ったらトマトソースかトマトの水煮を1/2カップ入れて煮つめ、パスタの煮汁少々と、薄口醤油小さじ1、塩コショウで味付けをし、弱火にして生クリーム50mlを加える。
⑤茹で上がったパスタを④のフライパンに入れ、ソースを絡めて完成です。
カニの赤い色はアスタキサンチンという色素であり、これはβ-カロテンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種です。アスタキサンチンは、高い抗酸化作用を持つため、血管を健康に保ち、免疫力を高める効果があるとされています。
また、骨の生成に欠かせないカルシウムやマグネシウム、リンなどが豊富に含まれています。
ワタリガニを含め、カニは茹でたり蒸したり焼いたりするだけで、塩などの調味料を付けなくても美味しくいただけるのも特徴です。塩分を控えた食事をされている方も、塩分なしで濃厚な旨味を堪能でき、美味しい食卓になります。
ワタリガニのカニ飯に、お味噌汁、パスタとどれも美味しいですよね。
ワタリガニは身の美味しさだけでなく、濃厚な出汁も魅力の一つです。和洋問わずいろいろな味わい方ができ、料理や食事を楽しめるのも嬉しいですね。
漁師さん直送市場の岡山県の漁師さん、邦美丸さんの網には時々ワタリガニが入ってくれます。
ワタリガニを一度自宅で味わってみたい方は、ぜひ注文してみてください。