豆知識
豆知識
漁師さん直送市場の通販を利用して、
新潟県の昭和丸さんより送って頂いた干物セットの中に、チダイの塩干しがありました。
チダイは「血鯛」と書き、正真正銘、数少ないマダイの仲間、タイ科の魚です。国内でとれる赤い鯛3種、マダイ・チダイ・キダイのひとつです。形も色も、マダイとほとんど同じですが、チダイはエラの後緑が血がにじんだように赤いところが特徴です。
マダイに次いで値段が高く、マダイよりも少し身が柔らかいです。塩焼きや、昆布締め、そしてもちろん干物にしても美味しいです。
チダイの幼魚は、春日子(かすがこ)とも呼ばれ、江戸前ずし誕生期からのネタとして重宝されてきました。
江戸前ずしでは、片身で1かんどり出来る大きさの春日子を使用します。三枚に卸した片身がちょうど1つのにぎり寿司になり、1匹で2かんの握りができることになります。三枚に下ろしにした春日子を、皮つきのまま酢じめにして作ります。
チダイは、朱色の皮の色合いが華やかであり、チダイの片身1かんの握りは上品な風情があります。マダイよりも身が柔らかいというところが、酢じめにしてもと硬く締まらない利点となり、すし飯との馴染みも良いです。
酢じめの江戸前ずしと同様に、マダイよりも身が柔らかいというところを生かした料理法が干物です。
チダイは干物にしても身が硬く締まらず、ふんわりしっとりとした身を味わえます。干すことでほど良く水分が抜け、美味しさが凝縮した上品な旨味と甘味のある身になります。また甘味ある皮目も一緒にいただき、美味しいチダイの塩干しを堪能することができました。
塩加減もほど良く、身が開いてあるのですぐに焼き上がるのも嬉しいです。また干物セットは冷凍で届きますので、日にちを分けて頂けるのもありがたいです。